ChatGPTの衝撃
昨年(2023年)に教育現場の話題をかっさらったものの一つが、生成AI、ChatGPTだろう。
簡単なユーザー登録で利用が可能で、プログラミングの知識を要求しないAI。日本語でも使用できて、日常言語で指示を与えることができて、仕事をしてくれる。この登場で、校務ではどう使えるだろうか、というアイディアも、授業でどう使おうか、というアイディアも、宿題で、課題で、勉強で、という議論がたくさん出た。
私自身も現場で色々なシーンで使っていたが、議論の中でちょっと問題も感じていた。校務系で提案されていたアイディアの中には、個人情報の観点から問題を感じる例もあったし、生徒が活用する場面では、基本的な論点として、保護者同意などの基本的な手続きがちゃんとなされているべきだ、という指摘もあった。宿題や課題を丸投げしてしまうことも問題とかね。
一方で、使ってみた人にとっては、「なんかうまくいかない」という思いを抱いた人も多いのだろう。そのため、書籍でも雑誌でもWEB講座でも、ChatGPTをどう活かすか、という情報が大量に流されている。それで役に立つことも多いし、うまく使えるようになれれば良いけれども、私が中でも勉強になったのは、スティーヴン・ウルフラム『ChatGPTの頭の中』(ハヤカワ新書、2023年)。本書の特徴は、筆者自身が自動応答システムの開発に携わる専門家であること。本書はOpen AIのCEOサム・アルトマンも推薦したそうだが、専門家の立場から、ChatGPTの仕組みと技術について根本的なところから説明している。
使い方を習得するためには、ハウトゥーだけではなくて、仕組みをしっかり理解すること。これはどんな場面でも活用できる視点かもしれない。

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