選挙での投票先を問うアンケートに「慎重な対応が必要」?

北海道の帯広柏葉高校の新聞局のアンケートについて、教育委員会より「丁寧な対応が必要であった」とのコメントがあったことが、北海道新聞で報じられています。

新聞局の衆院選校内アンケートに学校が再考要請 帯広柏葉高 投票先巡る設問 道教委見解に追従 顧問「おかしい」

帯広柏葉高新聞局の衆院選アンケート 道教委「丁寧な対応が必要」

帯広柏葉高校の新聞局は、全国的にもその実績で知られており、高校の学校新聞の全国コンクールである「全国高校新聞年間紙面審査賞」でも入賞の常連です。

今回の問題の発端は、10月31日投開票の衆院選に関する校内アンケートにおいて小選挙区や比例代表の投票先を問うたことにあるようです。「アンケート用紙を事前に見た学校側が道教委に問い合わせ、見解を新聞局顧問の教諭に伝えた」という経緯で、その見解とは、「政治的中立性」の確保のため、設問を見直すべきとのものです。そうした学校の動きに対応する形で、議会内で教育委員会による冒頭の発言があったものです。

本件について、気になるのは2点です。

(1)学校の新聞局が投票先を問うことは「政治的中立性」に抵触する問題か

(2)学校側が教育委員会に問い合わせた動きは適切か

(1)については、無関係と考えます。投票を終えた選挙の結果について、その投票先を含めて調査、報道のためにアンケート等で問うことは問題ないことであるはずです。

したがって、(2)については、学校側の判断と対応は過剰な「忖度」に映ります。無論、教育機関において「政治的中立性」を保証することは重要ではあるものの、その一般論に拘泥し、無関係な問題まで先手を打って生徒の主体性を奪うことがあってはなりません。政治に関わる話題も積極的に取り上げようとする、柏葉高校新聞局の主体的な活動を応援したいところです。

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